2010年9月3日金曜日

映画「プレデターズ」感想 ネタバレあり

大分日にちも経ったので、「プレデターズ」の感想でも。



内容としては、主人公の傭兵ロイス達8名が気を失った状態で上空から落下させられていて得体の知らないジャングル(実はプレデターが狩りに利用する惑星)に墜落し、そこでプレデター達のハンティングの獲物として狙われるというものです。

この作品、良い意味でも悪い意味でも1作目のプレデターを強く意識しています。
特に前半部分では、オマージュと思われるシーンがいくつも登場します。
しかし、個人的な感想としては何か違うなと思いました(汗)。
たしかに、1作目に似た展開はするのですがそれと同じ面白さは得られていない印象を受けます。

1作目、シュワちゃん(ダッチ・シェイファー少佐)率いる特殊部隊は、監督のジョン・マクティアナン節でゲリラ相手に派手な戦闘シーンを行い、それに続いて謎の生物との生死をかけた戦いに突入します。
特殊部隊がそれぞれ個性が強く、それを映画の中で多く見せている点。
プレデターが何なのかは終盤まで分からない点。
そして、たとえ何が相手でもシュワちゃんならなんとかしてくれるだろうという気持ちを、おそらく観ている人は抱いているであろう点(笑)。
それらが1作目の魅力だと思いますが(あくまで個人的な意見です)、プレデターズは展開は似ていてもそれらが無いのです。
主人公ロイス(役は「戦場のピアニスト」で有名なエイドリアン・ブロディ)は、あまり自分の素性について語りたがらず非情な面ばかり出てくるのでシュワちゃんのように感情移入できません。
また、他のメンバーも設定上はスナイパー、用心棒、工作員、死刑囚など個性があるのですが、最初からプレデターに狙われる立場なので後一歩魅力が引き出せないまま終わってしまっている印象があります。
人間達8名はそれぞれすごい戦闘能力を持ってはいますが、ストーリー上最初から狩られる立場なので常にプレデター>人間というという状況がつきまとい、ゲリラ相手のようなスカッとするようなシーンもほとんどありません。

いっそのこと、最初から1作目に囚われないストーリー展開にしたほうが良かったのではと思いました。

見どころを上げるとすれば、ルイス・オザワ・チャンチェン演じるジャパニーズ・マフィア(笑)の殺し屋ハンゾーでしょう。
主人公達が逃走を続ける中で、一人その場に残り日本刀を手にプレデターと殺陣を行います。
1作目のビリーのポジションと言えば分かりやすいでしょうか。
闇夜に草原でプレデターとの戦いを繰り広げるシーンは、演出やカメラアングルなど黒澤明氏を意識したものとなっています。
すごい格好良いのですが、それだけにビリーはあんなあっさり断末魔の悲鳴を上げて終了だったのにと苦笑いしてしまいます。
まだ観ていない方は、DVDやBlu-rayをご覧になる際はハンゾーを応援してください(笑)。

あと、他に心に残ったシーンをチョイスすると、主人公達が会話の中で「自分達も地球上ではプレデターズだ。」と言っていること。
題名の「プレデターズ」は、今回の敵の3体のバーサーカープレデターをさすと同時に、人間側をも意味するものなのかもしれません。

 

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